抄録
Duty比が20 %の黄色LEDパルス光の照射方向がヤガ類に対する防除効果に及ぼす影響を調べた.防除対象害虫はハスモンヨトウとし,供試品目はアスパラガスとした.光の照射方向を,それぞれ下向き,上向き,圃場の外向きとする3つの照明区と,照明を行わない無処理区の合計4区を設けた.その結果,食害茎率は,無処理区と比較して3つの照明区で有意に低かった.また,照明区内では,上向き区および外向き区において,下向き区と比較して同等以上の被害低減効果が得られた.さらに,幼虫の寄生虫数および雄成虫の誘殺虫数についても,食害茎率とほぼ同様な傾向が得られた.以上の結果より,電灯照明を用いたヤガ類防除において,より適切な光の照射方向が存在する可能性が示された.