日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-7019
Print ISSN : 2434-2912
第56回日本小腸学会学術集会
セッションID: S1-3
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シンポジウム1 治療法未確立の難治性小腸疾患に対する挑戦
CEASにおける変異SLCO2A1トランスポーターの機能解析
*關 里和林田 真理箕輪 慎太郎池崎 修三井 達也三浦 みき齋藤 大祐田中 弦櫻庭 彰人木村 徹櫻井 裕之久松 理一
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抄録

【背景と目的】

SLCO2A1関連腸症(CEAS)は難治性多発小腸潰瘍を呈する疾患であり、プロスタグランジン輸送体をコードするSLCO2A1遺伝子の変異により発生する遺伝病と考えられる。しかし、SLCO2A1蛋白の機能を含めて詳細な病態は解明されていない。我々は報告されている変異SLCO2A1遺伝子のうち11変異におけるプロスタグランジンE2(PGE2)の輸送機能を解析した。

【方法】

正常SLCO2A1遺伝子及び11変異(940+1GA、664GA、1807CT、421GT、1372GT、547GA、1647GT、97GC、770GA、830dupT、830delT)の蛋白を強制発現させたアフリカツメガエルの卵母細胞を用い、PGE2の取り込み実験を行った。

1) 単一濃度での取り込み量の検討

トリチウムラベルしたPGE2(3H-PGE2)2nM含有ND96内で卵母細胞を30分間静置した後、細胞内の3H-PGE2量を測定した。

2)Km値・Vmax値の算出

PGE2含有ND96(PGE2:10、30、100、300、1000nM) に卵母細胞を30分間静置した後、細胞内のPGE2の量を測定しKm値・Vmax値を算出した。

【結果】

1) 単一濃度での取り込み量の検討

正常SLCO2A1蛋白では23.0 ± 6.2fmol/oocyteの取り込みが見られた。940+1GAでは0.31 ± 0.032 fmol/oocyteと取り込み能がほぼ消失していた。664GA、1807CT、547GA、421GT、770GAの5変異も同様であった。1372GTは8.2 ± 2.8fmol/oocyte、1647GTは13.8 ± 6.1fmol/oocyteと取り込みはあるが有意に低下していた。

2)Km値・Vmax値の算出正常

SLCO2A1蛋白はKm612.3 ± 172.2nM、Vmax4.7 ± 2.0pmol/oocyteであった。変異については1372GTではKm値1100nMと上昇しVmax値4.1pmol/oocyteと低下が見られ親和性の低下が見られた。1647GTではVmax値0.2pmol/oocyteと非常に低くKm値も81.8nMも低値であった。

【考察】

CEAS患者に認められたSLCO2A1遺伝子変異は蛋白レベルでのPGE2取り込み能の低下あるいは消失を認めた。今後、各々の変異の輸送能の検討を続け臨床症状との比較を行い、臨床症状や重症度との相関を行っていく。

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© 2018 本論文著者
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