症例は59歳女性。主訴は上腹部痛。2019年2月初旬から上腹部痛を自覚したため前医を受診。腹部超音波検査で膵尾側に12cm大の腫瘤を認めたため、精査目的で当科に紹介入院となった. 腹部CT検査では腹腔内に15cm大の巨大な腫瘤を、上部消化管内視鏡検査では胃体上部後壁に、大腸内視鏡検査では横行結腸に壁外性圧排を認めた。カプセル小腸内視鏡検査、ダブルバルーン小腸内視鏡検査ではTreiz靭帯近傍に壁外性圧排を認め、その肛門側に発赤調の有茎から亜有茎、褪色調の平坦隆起と大小様々な隆起性病変を認めた。腹腔内腫瘍、小腸隆起性病変からの生検病理組織所見では中から小型核を有するN/C比の大きな類円形の異型細胞のびまん性増殖を認めた。免疫染色ではCD38陽性であり、形質細胞への分化が確認された。骨髄穿刺では異常はなかった。各種画像所見と病理組織所見より腹腔内の形質細胞腫とその小腸浸潤と診断した。以後血液内科に転科し化学療法を施行し、腫瘍は縮小傾向である。小腸に大小様々な隆起性病変を伴った腹腔内の巨大形質細胞腫は稀であり文献的考察を含め報告する。