症例は、63歳女性。20XX年5月に、腹痛で前医を受診し、腸閉塞の診断で入院。絶食のみで症状が軽快するも、経口摂取を開始すると腹痛が再燃することを繰り返していた。造影CT検査では、小腸に壁肥厚を伴う狭窄と、狭窄部位の口側の拡張がみられ、精査加療目的で当科に紹介入院となった。
大腸内視鏡検査では、回腸末端に多数のリンパ濾胞を認めるも、生検では悪性所見を認めなかった。経肛門的ダブルバルーン内視鏡では、回腸に多数のリンパ濾胞を認めるのみであった。パテンシーカプセルを施行し、カプセルの排出がみられなかったので、内服から30時間後にCT検査を施行し、S状結腸にあると判断した。小腸カプセル内視鏡を施行したが、排出がみられず、CTで確認したところ、パテンシーカプセルと小腸カプセル内視鏡ともに、骨盤内回腸に停滞していた。経口的ダブルバルーン内視鏡を施行したところ、回腸に潰瘍を伴う狭窄があり、そのすぐ口側に、コーディングのつぶれたパテンシーカプセルと小腸カプセルを認めた。パテンシーカプセルと小腸カプセルを回収ネットで回収した。狭窄部位の生検結果は、非特異的炎症であった。
小腸狭窄の診断に難渋し、診断と治療目的で、消化器外科に転科し、今後、小腸部分切除術を施行する予定である。パテンシーカプセルと小腸カプセルを同時に回収した小腸狭窄症の1例を経験し、示唆に富む症例と考え、文献的考察も含めて報告する。