日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-7019
Print ISSN : 2434-2912
第58回日本小腸学会学術集会
セッションID: S4-3
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シンポジウム4 小腸難治性疾患の診断と治療の新知見
後天性フォンウィルブランド症候群に伴う小腸病変の検討
*井上 健内藤 裕二森田 竜一杉野 敏志土肥 統吉田 直久山口 寛二鎌田 和浩全 完内山 和彦石川 剛高木 智久小西 英幸的場 聖明伊藤 義人
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抄録

【目的】循環器疾患の併存例においては、過度のずり応力による後天性フォンウィルブランド症候群(AVWS)を生じることが明らかになった(Loscalzoら. N Engl J Med. 2012)。しかしその病態、特に小腸病変に関する報告は未だ不明な点が多い。本研究ではAVWSの症例を対象とし、小腸病変の所見を明らかにすることを目的とする。

【方法】単施設にて前向き検討を行った。本学医学倫理審査委員会にて承認された(ERB-C-1549)。AVWSの症例として、2020年1月~20年5月の間に当院にて重症AS患者で貧血(Hb<11g/dl)を有する12症例を対象とした。小腸カプセル内視鏡を含む全消化管内視鏡検査を施行し、Hb値、消化管粘膜angioectasiaの頻度などを検討項目とした。

【結果】対象は12例、男性/女性;3/9例、平均年齢86.5歳、Hb中央値(範囲)は9.8(7.2-10.7)g/dlであった。内服はLow-dose aspirin 67%(8/12)、Thienopyridine 33%(4/12)、DOAC 25%(3/12)であった。全例(12/12)でangioectasiaを認めた。内訳は上部17%(2/12)、大腸42%(5/12)、小腸83%(10/12)であった。

【結論】貧血を有するAVWSにおいては、80%以上の症例で小腸粘膜にangioectasiaを認めた。

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© 2020 本論文著者
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