2000 年 41 巻 6 号 p. 353-356
近年, 魚介類の生食を原因とする寄生虫症が増加してきた. そこで, 都内で流通しているシラウオを対象に, 横川吸虫メタセルカリアの寄生状況を調査した. その結果, 4産地のシラウオにメタセルカリアの感染が認められ, 特に, 茨城県霞ヶ浦産のシラウオは感染率が平均88%, 1尾当たりの最大感染数が314個体と高い値であった. 一方, 他産地のシラウオの平均感染率はいずれも10%以下と低率であった. したがって, 本吸虫の感染症防止対策として, 生食用シラウオの産地表示を明確にし, 本吸虫の寄生率が高い産地のシラウオについては, 加熱調理用とすることが必要と考えられた.