食品衛生学雑誌
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ドクササコ(Clitocybe acromelalga)の投与がトリプトファン–ナイアシン代謝に及ぼす影響
福渡 努杉本 悦郎柴田 克己
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2001 年 42 巻 3 号 p. 190-196

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抄録

ドクササコにはクリチジンと4-アミノキノリン酸が含まれている.両化合物ともにトリプトファン–ナイアシン代謝経路中間体の構造類似体である.そこで、ドクササコの投与が本代謝にどのような影響を与えるのかを調べた.ドクササコを混餌により24時間投与した(投与日=Day 0).本代謝経路の代謝産物量はDay 0~Day 1,Day 1~Day 2で有意に上昇した,血液中にトリプトファン含量とNAD含量もDay 1で有意に上昇した.したがって,ドクササコの摂取によって本転換経路が阻害されることは認められず,むしろ,代謝産物を増大させる化合物の存在を示唆する結果が得られた.

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© 2001 公益社団法人 日本食品衛生学会
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