食品衛生学雑誌
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酸素センサー法によるサバとマグロの鮮度指数K値とヒスタミン生成量の測定
大橋 実
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2002 年 43 巻 1 号 p. 39-43

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抄録
酸素センサー法を用い,5℃,20℃,30℃に保存したサバとマグロのK値とヒスタミン(Hm)の生成量を測定した.サバは5℃の低温保存下でもHmが生成した.そして各温度ともK値が約 60% のまだ可食レベルにあるうちに,HmはFDAの注意喚起レベル(DAL=5 mg/100 g) に達することが注目された.マグロは5℃ 保存ではHmの生成は少なく8日後でも0.6 mg/100 gの低レベルで規制値よりかなり低レベルであった.しかし,温度上昇に伴い生成速度の急増が見られ,1日以内にサバと同様にDALを超し健康上有害とされるAL (=50 mg/100 g)に達することを認めた.魚肉食品の安全性の監視には,K値測定に併行したHm測定の必要性を指摘した.
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© 2002 公益社団法人 日本食品衛生学会
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