食品衛生学雑誌
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加工および調理による小麦試料中残留農薬の濃度変化
坂 真智子飯島 和昭西田 真由美狛 由紀子長谷川 直美佐藤 清加藤 保博
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2008 年 49 巻 3 号 p. 150-159

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抄録

小麦の加工および調理による計13種の農薬の残留濃度変化に伴う調理加工品への移行率(玄麦に残留する農薬の絶対重量に対する生成試料中の残留農薬重量の比率,%) について,プレハーベスト処理試料(Pre, 9薬剤)とポストハーベスト処理試料(Post, 6薬剤)を調製して調査した.また,玄麦中に残留する農薬の濃度に対する生成試料中の残留農薬濃度の比(以下,加工係数と称する)も求めた.製粉工程において,玄麦に残留していた農薬のうちPreでは70%以上,Postでは80%以上がふすまとともに除去され,60%粉に残っていたのはPre 1.7~23%, Post 4.0~11%の範囲であった.60%粉の加工係数はPre 0.030~0.40, Post 0.069~0.18を示した.これらの数値は,PreのほうがPostよりも高い値を示した.移行率の薬剤間での値の差は少なかった.調理加工における農薬の残留濃度変化を調査することは,基準値設定に役立つばかりでなく,農産物に残留する農薬が食品に移行する量を把握する上で重要である.

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© 2008 公益社団法人 日本食品衛生学会
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