食品衛生学雑誌
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2-アルキルシクロブタノン類を指標にした放射線照射食品の検知:ヨーロッパ標準規格法(EN1785)の脂肪含有食品における検知性能の検証
堤 智昭等々力 節子根井 大介石井 利華渡邉 敬浩松田 りえ子
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2011 年 52 巻 6 号 p. 321-329

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抄録

放射線照射食品の検知法であるEN1785の検知性能を評価し,牛肉,豚肉,鶏肉およびサーモンへの適用を検証した.本法は照射の有無を判定する定性試験法であるため,陰性および陽性試料を用いた評価方法を定めた.未照射の各食品から抽出した脂肪を陰性試料,陰性試料に2-アルキルシクロブタノン類を 0.05 μg/g lipid 添加(約0.5 kGy照射した際の生成量)した脂肪を陽性試料とした.各食品について4個の陰性試料および16個の陽性試料を分析し,本法の検知性能を評価した.本法は各食品の陰性および陽性試料をすべて正しく判定でき,これらの食品への適用が妥当であると判断できた.次に上記方法で検証したEN1785の検知性能を確認するため,未照射およびガンマ線照射 (0.5~4 kGy) した上記と同種の食品を本法により分析した.その結果,すべての試料について照射の有無を正しく判定できた.さらに,ほかの1試験室において,本法の検知性能を検証した後,照射履歴をブラインドにして上記と同種の食品を分析した.各食品につき10試料(未照射2試料,照射8試料)を分析した結果,正答率は 100% であった.

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© 2011 公益社団法人 日本食品衛生学会
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