食品衛生学雑誌
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妥当性評価
超臨界流体抽出(SFE)による野菜・果実中の残留農薬の一斉分析法の妥当性評価
浦西 克維山下 浩一山本 圭吾
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2012 年 53 巻 1 号 p. 63-74

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抄録
超臨界流体抽出による野菜・果実中の残留農薬分析法を検討した.ペースト状に細切均一化した試料を吸水性ポリマーおよび珪藻土と混和させた後,抽出容器に充填し,超臨界状態の二酸化炭素で抽出操作を実施した.抽出成分をアセトンに溶解させ,ミニカラム(グラファイトカーボン)で精製した.測定はGC-MS/MSを用い,試験溶液のマトリックス効果の影響を加味し,マトリックス検量線で定量した.5種の農産物について334農薬,添加濃度0.01および0.1 μg/gにおける妥当性評価(2試行×5日)を実施した結果,189農薬が真度,精度の目標値を満たした.また,71農薬は真度が50~70%である一方,精度は目標値を満たした.本法は精度,迅速性に優れ,さらに簡易である点において,野菜・果実中の残留農薬分析法として利用可能と考えられる.
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© 2012 公益社団法人 日本食品衛生学会
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