食品衛生学雑誌
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新しい精製材料を用いた茶中残留農薬分析の迅速精製法の開発
上田 祐子 本田 克久
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2017 年 58 巻 4 号 p. 188-194

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抄録

茶中残留農薬分析の妨害成分であるカテキンやカフェインが除去できる迅速な精製法を確立するため,筆者らが開発した2種類の精製材料(S-NH2とS-Si)を用いて精製法の検討を行った.本法は,6種類の茶(番茶,煎茶,玉露,ほうじ茶,玄米茶,烏龍茶)の精製においてカテキンおよびカフェインをほぼ100%除去することが可能であった.また,試料中濃度が0.1 μg/gとなるよう番茶抽出液に61成分の農薬を添加した時の回収率は,44成分が70~120%を示し,その変動係数はすべて10%未満であった.S-NH2とS-Siを用いた精製法は,煩雑な分析操作を必要とせず,短時間(1検体あたり2時間)での処理が可能であった.

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© 2017 公益社団法人 日本食品衛生学会
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