食品衛生学雑誌
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リアルタイムPCR法による腸管出血性大腸菌の食品での高感度検出のためのDNA抽出法
森 哲也佐藤(長尾) 清香岸野 かなえ難波 豊彦工藤 由起子
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2019 年 60 巻 6 号 p. 183-186

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抄録

迅速かつ安価なDNA抽出法であるアルカリ熱DNA抽出法を食品中の腸管出血性大腸菌の検出のためのリアルタイムPCRにおいて評価した.牛レバー,牛ひき肉,豚スライス肉,チーズ,レタス,カイワレ大根,トマトおよびホウレンソウでのstx遺伝子とO抗原遺伝子検出において,アルカリ熱DNA抽出物は高感度の検出(102~104 CFU/mL)を示し,これはプロティナーゼK溶菌とシリカメンブレンによる精製工程を含む市販DNA抽出キットと同等の検出感度であった.アルカリ熱抽出とキットでのDNA濃度と純度には違いがあったが,リアルタイムPCRの感度は同様であった.これらの結果から,アルカリ熱DNA抽出法は,リアルタイムPCRでの食品分析にとって有用な方法であることが示された.

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© 2019 公益社団法人 日本食品衛生学会
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