食品衛生学雑誌
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妥当性評価
LC-MS/MSを用いた乾燥唐辛子中残留農薬一斉分析法の妥当性評価
渡邊 趣衣 八巻 ゆみこ富澤 早苗増渕 珠子上條 恭子中島 崇行吉川 聡一山本 和興髙田 朋美小鍛治 好恵大澤 佳浩大塚 健治橋本 常生
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2020 年 61 巻 6 号 p. 247-253

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抄録

LC-MS/MSによる乾燥唐辛子中残留農薬分析法の開発を行い,その妥当性評価を実施した.分析法はマトリクス効果を抑制するため,LC条件,精製カラムおよび試験溶液の希釈倍率を検討した.精製カラムはENVI-CarbIITM/PSA (300/600 mg,6 mL)を使用した.さらにマトリクス効果を抑制するため試験溶液の検討では,マトリクス効果および一律基準値相当の測定感度の観点から,8倍希釈液を採用した.これらを元に107農薬について2濃度(0.01および0.1 μg/g)で2併行5日間の妥当性評価を実施した結果,96農薬で真度70.1~112.6%,併行精度11.5および3.4%以下,室内精度24.3および19.9%以下となり,ガイドラインの基準に適合した.また不適合であった主な原因はマトリクス効果と抽出での低回収であると示唆された.

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© 2020 公益社団法人 日本食品衛生学会
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