食品衛生学雑誌
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食中毒原因性クロストリジウム属細菌芽胞の発芽に関する研究 (第9報)
ボツリヌス菌芽胞の発芽に及ぼすグリシンの影響
安藤 芳明亀山 邦夫唐島田 隆
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1975 年 16 巻 4 号 p. 258-263_1

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抄録

グリシンは5%の高濃度においてもボツリヌスA, B, E各型菌芽胞の発芽を完全に阻害することはできないが, 発芽後の outgrowth をE型に対しては2%で, AおよびB型に対しては5%で完全に阻止した. 複雑な培地 (BHIおよびTPG) における培養実験の結果では, 生育を完全に抑制するグリシンの濃度は, E型菌ではpH 6.0において0.5%, pH 7.2において2%であるが, AおよびB型菌では培地のpHに関係なく5%であった. グリシンと市販許可濃度以下の亜硝酸ナトリウムまたはソルビン酸との併用による相乗効果はほとんど認められなかった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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