1975 年 16 巻 5 号 p. 313-317_1
ウエルシュ菌の食中毒起病性解明の一端として Ouchterlony 法による寒天ゲル内沈降反応によって, ウエルシュ菌食中毒分離株および自然界分離株のエンテロトキシン産生能について比較検討した. ウエルシュ菌食中毒分離株のうち77.3%が, 自然界分離株のうち0.8%がエンテロトキシン陽性株であった. このことは自然界に幅広く分布するウエルシュ菌のうち食中毒原因菌となり得るウエルシュ菌はエンテロトキシン産生能を有する限られた菌株であることを示唆するものと考えられる.