食品中の許可タール色素の抽出およびデンシトメトリーによる定量法を検計した. クリーンアップはイオン交換液を用いて, 酸性タール色素を有機溶媒層に抽出し, さらにアンモニア水で逆抽出した後, 一定量とし, その一定量を薄層クロマトグラフィーで分離した後, デンシトメトリーに付した. 各色素の検量線は各色素とも1スポットあたり0.05~0.5μgで直線関係が得られた. ジュース, すあま, かまぼこに着色料を添加した回収率は, indigo carmine が80%であったほかはいずれも93%以上であった. 加工食品成分として考えられる天然色素などについて妨害の有無を検討したが, laccaic acid が若干の妨害を示すほかはいずれも影響がみられなかった.