食品衛生学雑誌
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高速液体クロマトグラフィーによる食品中のアカネ色素の定量
川崎 洋子合田 幸広米谷 民雄義平 邦利武田 明治
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1992 年 33 巻 6 号 p. 563-568_1

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抄録

HPLCによる食品中のアカネ色素の分析法を検討した. 指標成分として, 原料植物のセイヨウアカネ根部の50%エタノール抽出液 (Ext) 中の主色素成分である ruberythric acid (1), lucidin-3-O-glucoside (2), alizarin (3) を選定した. ついで, Extで清涼飲料水及びタンパク性食品を染色した後, 指標成分の回収条件を検討した. 清涼飲料水では, イオン交換カラムクロマトグラフィー (IEC) を用い, 良好な回収率を得た. タンパク性食品では塩酸酸性下 (pH2), 85°, 3時間の加温抽出を行い, 中和後IECを行った. その際, 1及び2の加水分解物としてそれぞれ alizarin-2-O-glucoside, lucidin-3-O-glucoside を検出, 同定した. 定量においては加水分解物も指標成分1, 2に換算し, 総量として定量値を算出した. Extで着色したかまぼこ及び乳飲料からの1, 2及び3の回収率はそれぞれ68, 83, 100%及び71, 78, 100%であった.

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