日本食育学会誌
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研究ノート
幼児の箸の持ち方と母親の箸の持ち方・箸に対する意識との関連性
大瀬良 知子山本 千尋千家 梨華小林 美佐子土江 節子栗原 伸公
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2018 年 12 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

箸は日本の貴重な食文化の1つであるが、使用技術は難しい。我々は先に、母親の食事への意識が幼児の食嗜好や食事内容に影響する可能性を示したことから、本研究では幼児・母親の箸の持ち方と母親の箸に対する意識との関連について検討した。

3~5歳児の幼児の母親198名に対し、箸の持ち方・意識についてアンケート調査を実施(有効回答数64.6%)し、幼児・母親の箸の持ち方の正誤を調べ、それに対する判断、箸に対する意識を比較した。

母親の70.8%、幼児の34.0%が正しく箸を持っていた。母親と幼児の箸の持ち方には有意な関連を認めた(p<0.001)。箸を正しく持つことを重要視する母親は、正しく持てる割合が高かった(p<0.001)。

母親の箸の持ち方への意識が高いと持ち方が正しく、母親の持ち方が正しいと幼児も正しい割合が高いことから、母親の箸への意識を高め、持ち方を正すことは、幼児の箸の持ち方の習得に重要であると示唆される。

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© 2018 一般社団法人 日本食育学会
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