日本食育学会誌
Online ISSN : 2189-3233
Print ISSN : 1882-4773
ISSN-L : 1882-4773
研究ノート
幼児における家庭菜園経験と野菜嗜好および食に関する興味/関心との関連
—自宅で育てたトマトを食べた経験に着目して—
木田 春代荒川 義人高橋 律子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 12 巻 3 号 p. 211-217

詳細
抄録

本論文の目的は、トマト栽培に焦点を当て、幼児の家庭菜園経験(自宅で育てたトマトを食べた経験)と野菜嗜好や食に関する興味/関心との関連について明らかにすることである。2012年5月に札幌市内の6か所の幼稚園において、幼稚園に入園したばかりの年少児448名の母親を対象に無記名自己記入式アンケート調査を実施した。調査項目は属性、家庭菜園経験、トマト嗜好、トマト摂取行動、食に関する興味/関心とした。家庭菜園経験の有無により2群化し、フィッシャーの直接法を用いて比較した。その結果、家庭菜園経験がある幼児はない幼児と比較して、トマトを好きな幼児(p=0.001)、トマトを残さず食べる幼児(p<0.001)、食事やおやつにトマトをリクエストする幼児(p=0.004)、食事作りを手伝う幼児(p=0.043)の割合が有意に高かった。これらのことから、幼稚園に入園したばかりの幼児の家庭菜園経験は彼らのトマト嗜好や食に関する興味/関心と関連することが示唆された。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本食育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top