小児耳鼻咽喉科
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原著
小児気管支異物摘出における工夫
森田 真理濱島 有喜渡邉 暢浩村上 信五
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2009 年 30 巻 1 号 p. 42-46

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抄録

  小児気管支異物は,1–4 歳に多く,穀類がその原因として最も多い。その的確な診断には,詳細な問診と,受傷当時の状況判断が必要である。また外科的摘出により,時に気管支損傷などの重篤な合併症を引き起こす可能性がある。従来,摘出には硬性気管支鏡を使用することが中心であったが,医療機器の進歩,麻酔法の工夫により,軟性ファイバーを使用し摘出することも可能になっている。
  当施設において,硬性気管支鏡で異物を確認できず,軟性ファイバーにて異物を確認し,摘出できた症例を経験した。それ以降,軟性ファイバーを併用した異物摘出を施行している。軟性ファイバーを併用することで,気管支損傷などの合併症を軽減できるだけでなく,手術時間の短縮,マンパワーが節約できる等のメリットも大きい。今回,経験した症例を提示し,現在名古屋市立大学で施行している気管支異物摘出の方針と手技について報告する。

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© 2009 日本小児耳鼻咽喉科学会
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