抄録
病初期に咽後膿瘍類似の画像所見を呈した川崎病症例を経験したので報告する。
症例は 5 歳男児。発熱,咽頭痛,頸部リンパ節腫脹にて発症。小児科にて抗生剤内服,点滴投与にても改善せず。頸部 CT にて咽頭後壁に low density area を認めたため,咽後膿瘍疑いにて耳鼻科紹介となった。頸部造影 MRI を施行し,リンパ節の集簇を疑わせる病変を認め,最終的に川崎病不全型と診断した。病初期に咽後膿瘍を疑わせるも最終的に川崎病と診断しえたまれな症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。