抄録
千葉県こども病院では2009年 1 月から12月までに 0 歳から13歳の一側性感音難聴30例で CT 検査を施行した。CT で異常を認めた症例は17例(57%)で,その内訳は蝸牛神経管狭窄が最も多く17例中13例,内耳道狭窄も合併していた例が 4 例,明らかな内耳道狭窄を伴わずに蝸牛神経管狭窄のみを認めた例が 9 例であった。前庭水管拡大は 2 例,蝸牛および半規管の奇形は 2 例であった。
NHS により発見された一側性難聴13例中11例(85%)で CT 上異常所見を認めた。低出生体重児と21トリソミー例が 1 例ずつで,その他は合併症のない症例であった。前庭水管拡大 2 例のうち 1 例は,ABR 精査の時点では一側性難聴であったが,CT では両側の前庭水管の拡大を認めた。
NHS で発見された一側性難聴例では CT 検査で高率に異常を認め,CT 検査はその後の聴覚管理に有用な情報が得られることが示唆された。