抄録
乳児筋線維腫症(infantile myofibromatosis)は比較的まれな病気で,孤発もしくは多発性の間葉系の腫瘍である。患者の88%が 2 歳以下で診断され,頭頸部に好発し,病変が多発もしくは内臓型であると予後が不良とされている。今回われわれは舌腫瘤を主訴とした乳児筋線維腫症の一例を経験した。症例は 2 カ月の女児で,出生後 3 週間頃より哺乳低下,体重増加不良を認めていた。初診時左舌根部に10ミリ×4 ミリ大の硬い腫瘤を触知し,腫瘤生検および全身精査の結果,大脳,小脳,頸部皮軟部組織,両肺,骨に多発する転移巣を有する乳児筋線維腫症と診断し,ビンプラスチン(VBL)とメソトレキセート(MTX)による化学療法を施行したところ,治療効果は良好で既存病変はほぼ消失し,新たな病変の出現を認めていない。