小児耳鼻咽喉科
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原著
舌に発生した平滑筋性過誤腫の 4 ヶ月男児例
籠谷 領二市川 朝也安達 のどか坂田 英明
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2012 年 33 巻 1 号 p. 12-16

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抄録

  過誤腫は,正常な組織成分が過剰に増生して結節状を呈している先天異常であり,身体のあらゆる部位に発生しうるが,口腔領域の報告例は比較的稀である。今回われわれは舌背部に発生した平滑筋性過誤腫の 1 例を経験した。症例は 4 ヶ月の男児で,3 ヶ月健診で舌の腫瘤を指摘された。診断目的を兼ねて腫瘤摘出術を施行したところ,病理組織学的に平滑筋性過誤腫と診断された。術後 1 年間,合併症は無く再発も認めていない。過去の報告では舌の平滑筋性過誤腫に対して摘出手術が一般的に施行されており再発例は無いが,成人後に増大した過誤腫の症例は報告されており,長期にわたる経過観察が望ましいと考えられた。

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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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