小児耳鼻咽喉科
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原著
0 歳代から補聴器を装用した乳幼児のきこえの発達—EASD 質問紙による経時的評価から—
富澤 晃文佐久間 嘉子遠藤 まゆみ坂田 英明加我 君孝
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2013 年 34 巻 1 号 p. 53-60

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抄録

  0 歳代より補聴器装用を開始した乳幼児10名(良聴耳聴力レベル:50~100 dB)を対象に,0~3 歳代までの日常のきこえの発達を縦断的に評価した。対象児の補聴器の装用開始月齢は 3 カ月~10カ月まで分布し,1 名が 2 歳代で人工内耳に移行した。評価ツールとして,5 つの発達段階から構成される EASD(early auditory skill development for special populations)の表を日本語による 3 段階評定の質問紙に改変して使用した。全例に補聴器装用後に発達の追い上げがみられ,0 歳代にかけて前言語期にあたる発達段階 1~3 に到達した。言語期にあたる発達段階 4 以降では,正常範囲内の発達の者もいた一方で発達の個人差もみられはじめた。本質問紙による早期補聴後の追跡評価の意義,および発達の個人差を生む要因について考察した。

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© 2013 日本小児耳鼻咽喉科学会
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