急性中耳炎と急性鼻副鼻腔炎に対するガイドラインの発表後,推奨抗菌薬の使用機会は相対的に増加した。この様な環境が抗菌薬の感受性に与える影響に注意を払う必要がある。
北海道根室市立病院にて治療を受けた小児の上咽頭から分離された肺炎球菌,インフルエンザ菌に関して,ガイドライン推奨抗菌薬に対する MIC
50 および MIC
90(MIC : minimum inhibitory concentration)を指標として薬剤感受性の変化を比較した。
肺炎球菌では MIC が悪化した薬剤は見られなかったが,インフルエンザ菌では2003年と2011年を比べるとアモキシシリンとセフカペンの MIC
50 がそれぞれ 2 管悪化していた。アモキシシリンの悪化はアンピシリン耐性株(BLNAR など)の増加が関与したと考えられた。セフジトレンはセフェム系の中で最も処方機会が多いにも拘わらず,調査期間を通じて MIC 値の悪化を認めなかった。
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