小児耳鼻咽喉科
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基調講演
ゲノム疾患としてのアロマターゼ過剰症臨床遺伝学の進歩
緒方 勤
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2014 年 35 巻 3 号 p. 173-178

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抄録

  遺伝疾患発症機序の解明は,単一遺伝子におけるタンパクコード領域の変異解析を主に進展しその後,プロモーターやエンハンサーなどの遺伝子発現制御機構の破綻による遺伝疾患の発症が明らかとされてきている。さらに,解析技術の進歩と相まって,当該遺伝子周辺のゲノム構造異常に起因する疾患が存在することが明らかとなってきている。本稿では,このような新しいゲノム疾患について,アロマターゼ過剰症をモデルとして記載する。重要な点として,アロマターゼ遺伝子のコード領域から遠く離れたゲノム領域の異常(重複,欠失,逆位)により,アロマターゼ遺伝子の過剰発現が生じ,さらに過剰発現を招くプロモーターの性質が重症度を決定することが判明した。これは,ゲノムレベルの構造異常が単一遺伝子疾患を発症させるという点で画期的なものである。

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© 2014 日本小児耳鼻咽喉科学会
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