2015 年 36 巻 1 号 p. 31-39
小児急性鼻副鼻腔炎に対する適確な抗菌薬選択を行うために,薬剤耐性菌の分離頻度の推移を常に把握しておく必要がある。今回2012年 1 月より2013年12月までに当院を受診した小児急性鼻副鼻腔炎症例のうち,膿性鼻汁の細菌検査にて Streptcoccus pneumoniae もしくは Haemophilus influenzae が検出された1347名を対象として細菌学的検討を行い,2009–2010年の調査結果と比較した。その結果2009–2010年の調査と比較し,drug-resistant S. pneumoniae(DRSP)は2012年,2013年に有意に減少したが,ampicillin 耐性 H. influenzae は差がみられなかった。今後の DRSP の分離頻度を経時的に調査していく必要がある。