小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム 1―学校保健における耳鼻咽喉科医の役割
耳鼻咽喉科学校健診の現状と課題
大島 清史
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2016 年 37 巻 3 号 p. 236-240

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抄録

 日本耳鼻咽喉科学会(日耳鼻)が平成26年に全国の地方部会学校保健委員長47名を対象に施行した学校健診に関するアンケート調査結果では,重点的健診を余儀なくされている地区が多いこと,耳鼻咽喉科学校医無配置地区が多いことがわかった。また,保健調査票は多くの施設で参考にされ,健診の際の所見名は,日耳鼻選定のものが多く使用されていた。この結果を参考に,耳鼻咽喉科学校健診の取り組むべき課題を検討すると,1 学校医未配置地区の対応,2 重点的健康診断の見直し,3 幼稚園・保育所への対応,4 高等学校健診の見直し,5 音声言語障害検診の充実,6 インクルーシブ教育への対応,7 プライバシーの配慮,があげられる。文部科学省は学校保健における地域との連携を重視している。学校健診は,毎年行われ,また,すべての児童生徒と接することができる貴重な機会であるため,その成果を最大限に活用し,学校や地域に貢献することが期待される。

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© 2016 日本小児耳鼻咽喉科学会
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