小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム 1―学校保健における耳鼻咽喉科医の役割
普通学校における難聴児への対応
沖津 卓二
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2016 年 37 巻 3 号 p. 241-245

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抄録

 近年,普通学校に学んでいる難聴の児童生徒が増えていると言われている。因みに平成26年度の文部科学省の報告に,聴覚支援学校の在籍者は減少が続いているが,普通学校で通級による指導を受けている小・中学生は平成7年度以降増え続けていることが示されている。最近の仙台市における学校健診の結果から,高度難聴の児童は人工内耳や補聴器による聴覚補償を受け普通学校に在籍し通級指導を受けていること,また軽度・中等度難聴児の一部は発見が遅れ適切に対応されていないことが判明した。補聴器,人工内耳をすでに装用している難聴児および学校健診で発見される難聴の中,学校生活に影響があると考えられている軽度・中等度難聴,一側高度感音難聴,機能性難聴への対応について概要を述べた。文献的考察を踏まえ,難聴の児童生徒が普通学校で不自由なく学校生活を送るために,今後耳鼻咽喉科の学校保健活動として取り組んでいくべき課題を提唱した。

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© 2016 日本小児耳鼻咽喉科学会
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