小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム1―遷延性咳嗽治療における上下気道からのアプローチ
上気道疾患における遷延性咳嗽の治療
松原 茂規
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2017 年 38 巻 3 号 p. 277-281

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抄録

遷延性咳嗽の原因となる上気道疾患にはアレルギー性鼻炎,鼻副鼻腔炎が代表的であるが,上咽頭炎による可能性もある。

アレルギー性鼻炎による遷延性咳嗽の治療は薬物療法などのアレルギー性鼻炎の治療が基本であるが,気管支喘息の合併や感冒,鼻副鼻腔炎との鑑別が重要である。

鼻副鼻腔炎による遷延性咳嗽の治療はマクロライド系抗菌薬の投与が基本であるが,急性期の治療が十分に行われたかが重要である。内視鏡検査による鼻腔の観察は必須である。症例によっては病変が上気道と下気道の両者にまたがっていることがあり,小児科医との連携が大切である。

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© 2017 日本小児耳鼻咽喉科学会
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