2018 年 39 巻 1 号 p. 31-37
第1鰓裂瘻孔・嚢胞は外耳道から顎下部に病変を呈する。本疾患の手術例を3例報告する。【症例1】1歳2か月,女児。右外耳道に6.6 mm大の腫瘤を認めた。外耳道真珠腫の診断にて摘出術(TEES)を施行したが,2歳0か月時に右耳下部腫脹が出現し,翌月には同部に膿瘍形成したため,頸部外切開にて摘出術を要した。【症例2】1歳10か月,女児。左耳下部に4 cm大の腫瘤を認め,画像上皮膚へ水平方向に微小瘻孔を認めた。頸部外切開にて摘出した。【症例3】1歳3か月,女児。右外耳道に漿液性内容を伴う腫瘤を指摘。MRIにて垂直方向の瘻管を認めた。耳後部切開にて摘出した。
真珠腫の術前診断例でも,嚢胞性病変を伴うなど本疾患を疑う場合は,鑑別目的でMRIを考慮すべきである。治療には手術を要するが,病変は顔面神経と近く,また小児発症例が多い。Belenky分類を参考にした上で,病変と顔面神経との位置関係を十分に評価しながら特に愛護的な手術操作をすべきと考えた。