小児耳鼻咽喉科
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症例報告
拡大した副鼻腔に感染を反復した重症心身障害児の1例
田端 秀之煙石 真弓額賀 真理子平井 康太加藤 政彦望月 博之濱田 昌史飯田 政弘
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2018 年 39 巻 1 号 p. 38-43

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抄録

小児患者の中でも重症心身障害児は気管切開や経鼻胃管の留置などにより副鼻腔炎を合併する機会が多い。今回,我々は先天性大脳白質形成不全症により拡大したと思われる副鼻腔に感染を繰り返した症例を経験したので報告する。

症例は,13歳の女児。生後7カ月頃より痙攣発作やジストニアを認め,頭部MRI所見から基底核および小脳萎縮を伴う髄鞘形成不全症(hypomyelination with atrophy of the basal ganglia and cerebellum; HABC)と診断された最重度重症心身障害児。13歳になり発熱を繰り返すようになり,頭部CTにおいて前頭洞を中心に著明な両側副鼻腔の拡大と粘膜肥厚,液体貯留を認め,急性副鼻腔炎と診断した。抗菌薬治療により改善するものの,その後も急性増悪を繰り返したため,内視鏡下副鼻腔手術を施行した。術後,液体貯留は残存したがマクロライド少量内服と去痰薬で感染の頻度は大幅に減少した。中枢神経疾患の既往のある児では,脳萎縮に伴い副鼻腔の拡大を来たし感染が難治化する可能性が考えられた。

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© 2018 日本小児耳鼻咽喉科学会
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