小児耳鼻咽喉科
Online ISSN : 2186-5957
Print ISSN : 0919-5858
ISSN-L : 0919-5858
シンポジウム4―小児の摂食・嚥下障害に対する診療連携
小児・重症心身障害児者の咀嚼・嚥下困難への対応:自施設内多部門連係及び多施設連携
本荘 哲若槻 雅敏押川 千恵松本 吉洋法師山 絢松井 智美宗崎 良太澤津橋 基弘小幡 聡田浦 政彦
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 40 巻 3 号 p. 199-202

詳細
抄録

高度な嚥下障害や,繰り返す誤嚥性肺炎や,窒息のリスクは,重症心身障害児者のQOLを大きく低下させ,時には生命の危険に直結する重要な問題である。嚥下障害への対応として,食形態の工夫,食事姿勢の工夫,胃ろう造設術があり,繰り返す誤嚥性肺炎や窒息のリスク回避に対しては,喉頭気管分離術がもっとも有効な方法である。最近6年間に,経口摂取困難あるいは繰り返す誤嚥性肺炎に対して,胃ろう造設術(9名),喉頭気管分離術術(10名)が施行され,いずれの症例においても,経鼻胃管からの解放及び誤嚥性肺炎の発症予防が得られた。専門家による評価・治療と,手術施設への転院・術後経過観察に関する患者負担の最小化を両立するためには,複数の診療科・部署と複数の医療機関の相互理解と協力が欠かせない。

著者関連情報
© 2019 日本小児耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top