2020 年 41 巻 3 号 p. 313-318
舌下免疫療法はその方法の正しい理解と,長期間の継続が求められる治療法であるが,小児患者に対しては,患児だけでなく保護者も一緒に取り組むことが求められる。今回,舌下免疫療法を希望する小児に対して,夏休み初期に舌下免疫療法初回集団投与の試みを行った。夏休みに施行することで,初期の副反応に対して自宅での観察が行いやすいことや,親子で毎日の服用習慣を確立できることを想定した。また多くの小児患者を効率的に,かつ十分に指導を行える方法として多職種による集団指導を取り入れた。保護者へのアンケート結果では集団指導について“よかった”“ややよかった”という回答が78%であり,良好な評価であった。2018年に集団でダニ舌下初回投与を行った小児の継続率は,個別にダニ舌下免疫を開始した小児と同様に高かった。多職種で取り組んだ小児に対する舌下免疫療法初回集団投与は効率的かつ有効な手段であると考えた。