小児耳鼻咽喉科
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イブニングセミナー
人工内耳による早期介入―東京都の現状と新たなチャレンジ―
白井 杏湖河野 淳塚原 清彰
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2021 年 42 巻 3 号 p. 271-275

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抄録

先天性難聴児に対する早期介入の重要性が認識されているが,東京では早期介入システムが確立しておらず,どのように実現させるかが課題となっている。東京都には新生児聴覚スクリーニング検査後の精査機関が46施設,人工内耳(CI)手術病院も複数存在する。療育機関に関しても,特別支援学校,児童発達支援センター/事業所,病院,民間施設という異なる基盤,あらゆるコミュニケーションモードの中から保護者が自由に選択できる。一方,包括的把握や連携は困難で,早期介入のコーディネートや経過のモニタリングが課題である。

このような課題解決のため,当院では中核機能としてCIセンターを設立し,多職種が連携して難聴児支援のコーディネートから実践までを行なっている。病院に課せられた新たなチャレンジとして,適切に早期介入につなげるための個別評価に基づくインフォームド・チョイスや,難聴児支援の中核機能としての役割が挙げられる。

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© 2021 日本小児耳鼻咽喉科学会
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