小児耳鼻咽喉科
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症例報告
川崎病に両側難聴を合併し治療を要した1症例
頌彦 由丹深美 悟中島 逸男栃木 康佑滝瀬 由吏江今井 貫太永島 裕美常見 泰弘田中 康広春名 眞一
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2022 年 43 巻 3 号 p. 319-324

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抄録

川崎病は全身の血管炎によって発熱や発疹,粘膜炎など様々な症状を引き起こす疾患である。4歳以下の小児に発症することが多く,合併症は多岐にわたる。難聴も冠動脈瘤と並んで比較的高頻度に生じるとされ,川崎病を診療にするにあたり重要な合併症である。しかし,川崎病に併発する難聴の認知度は低く,低年齢であるが故に患児も難聴を訴えることが少ないため発見が遅くなり,十分な治療が行えない場合がある。

今回,3歳の女児で川崎病発症後に親の声かけに反応が悪いことを契機に発見された両側難聴の症例を経験した。速やかに他覚的聴力検査を用いて難聴の診断を行い,ステロイドの全身投与により難聴の改善を認めた。

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© 2022 日本小児耳鼻咽喉科学会
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