背景 薬剤耐性(以下,AMR)菌に対し2016年にAMR対策アクションプランにより抗菌薬削減量などの目標値が提示された。一次救急施設では小児に対して抗菌薬が多く処方される傾向があるが,これまで耳鼻咽喉科での処方動向の報告はない。
方法 2015年から2019年までに姫路市休日・夜間急病センター耳鼻咽喉科を受診した15歳以下の患者への経口抗菌薬処方を後方視的に調査し,全抗菌薬処方率,1,000患者あたりの各抗菌薬処方件数等を算出した。
結果 全抗菌薬処方率は60%程度を推移した。1,000患者あたりの処方件数は第3世代セファロスポリン系抗菌薬が442から218,カルバペネム系抗菌薬が59.7から4.7へ減少し,アモキシシリンが128から386へ増加した。
結語 処方動向変化を認め,AMR対策に基づき作成されたガイドラインの効果の可能性がある。耳鼻咽喉科と小児科で連携し調査を継続する。
抄録全体を表示