小児耳鼻咽喉科
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原著
Copy Number Variation(CNV)による感音難聴の3症例への遺伝カウンセリング
小野 智愛阪本 浩一馬場 遥香松永 達雄
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2024 年 44 巻 3 号 p. 355-360

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抄録

遺伝性難聴の遺伝子変異の多くは1~数塩基の欠失や挿入,一塩基多型だが,近年はコピー数変化(CNV: Copy number variation)も確認されている。今回,我々はCNVによる感音難聴を3症例経験した。症例1は8歳女児。当院初診時に標準純音聴力検査(PTA)右37.5 dB,左41.3 dBの感音難聴を認め,遺伝学的検査でSTRC遺伝子を含む領域にホモ接合性欠失を認めた。症例2は11歳女児。就学前健診で難聴を指摘され,当院初診時のPTA右61.3 dB,左60.0 dBで中等度感音難聴を認めた。遺伝学的検査でOTOA遺伝子を含む領域にホモ接合性欠失を認めた。症例3は,症例2の妹10歳。当院初診時(6歳)のPTAで右60.0 dB,左65.0 dBの感音難聴を認め,姉と同じバリアントが検出された。STRC遺伝子とOTOA遺伝子はCNVによる難聴が多く占める。CNVの欠失範囲によっては,隣接する遺伝子への影響もあり得るため,隣接遺伝子による臨床的影響も考慮した結果の解釈や開示が必要である。

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