2024 年 44 巻 3 号 p. 397-402
HDR症候群は副甲状腺機能低下症,感音難聴,腎形成不全を3主徴とする常染色体顕性遺伝形式の疾患であるが,必ずしも3主徴すべてを呈するわけではない。感音難聴はHDR症候群では最も頻度の高い症状と考えられており,まだその聴力経過についての報告は少ない。今回我々は幼少期に難聴を指摘されたHDR症候群家族例を経験した。同胞3例全員に副甲状腺機能低下症と感音難聴を認め,腎機能障害や腎形態異常は認めなかった。聴力経過では第2子の聴力は変わらず,第1子は2.1 dB/年,第3子は1.8 dB/年の難聴進行を認めた。長期的に経過観察することができた同胞3例におけるHDR症候群の聴力経過および症状の多様性について検討したので報告する。