2024 年 44 巻 3 号 p. 391-396
先天性舌根部嚢胞は新生児の呼吸障害の原因として見逃してはならない疾患の一つである。今回我々は,哺乳障害を契機に発見された日齢20の舌根部嚢胞患児を経験した。初診時に陥没呼吸や上気道狭窄音などの呼吸異常を認めなかったものの静脈血液ガス検査にて慢性閉塞性呼吸器疾患が疑われた。精査の結果,舌根部嚢胞の診断となり入院翌日に手術が行われた。気管挿管に難渋したが,喉頭展開の際,喉頭鏡による圧排により嚢胞が穿破されると容易に気管挿管可能であり,全身麻酔下に嚢胞開窓術が施行された。手術は喉頭鏡にて舌根を挙上させた上で喉頭ファイバースコープにて視野を確保し,経口腔的に嚢胞切除を行った。手術後は哺乳障害も改善し,体重増加も良好である。現在まで嚢胞の再燃はなく良好な経過をたどっている。