小児耳鼻咽喉科
Online ISSN : 2186-5957
Print ISSN : 0919-5858
ISSN-L : 0919-5858
共通講習(感染)
COVID-19現場対応の経験から今後の地域の感染症対策を考える
神谷 元
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2025 年 46 巻 1 号 p. 1-4

詳細
抄録

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,世界的なパンデミックとなり,医療・社会・経済に多大な影響を及ぼした.当初は,行動制限やマスク着用といった非薬物的介入のみで対応せざるを得なかったが,その後,ワクチンや治療薬の導入により,生活は徐々に回復した.しかし,新たなパンデミックがいつ発生してもおかしくない現状が示された.日本では,厚生労働省がクラスター対策班を設置し,実地疫学の手法を活用して感染拡大を抑制した.実地疫学は,現場での調査を通じて迅速に対応し,データを解析することで公衆衛生上の危機に対処する重要な手段である.特に,情報の正確な収集,共有,評価の重要性が再認識された.COVID-19の教訓を活かし,平時からのサーベイランスの強化が,次なる感染症危機への備えとなる.

著者関連情報
© 2025 日本小児耳鼻咽喉科学会
次の記事
feedback
Top