小児耳鼻咽喉科
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小児急性中耳炎診療ガイドラインについての意識調査
伊藤 真人古川 仭
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2008 年 29 巻 1 号 p. 20-24

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抄録

急性中耳炎起炎菌の薬剤耐性株の市中における蔓延にともない,抗菌化学療法の限界を示すような難治性の急性中耳炎症例が増加している状況において,2006年に日本耳鼻咽喉科学会関連3学会,研究会から「小児急性中耳炎診療ガイドライン」が提唱された. 今回小児の急性中耳炎診療にたずさわる耳鼻咽喉科医・小児科医を対象に,本ガイドラインがどの程度認知され,実際に活用されているかを知るためにアンケート調査を行った. その結果,耳鼻咽喉科医の85%がガイドラインの存在を知っており,耳鼻咽喉科医への認知度はある程度進んでいた. しかし耳鼻咽喉科医・小児科医ともに全体の40%程度の医師は今後もガイドラインを参考にする必要を感じていないという結果であり,特にクリニック開業医師にその傾向が強かった. ガイドラインは,あくまでも診療にあたって臨床的判断を支援するためのものである点を周知し,さらなる普及が必要である.

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© 日本小児耳鼻咽喉科学会
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