修紅短期大学紀要
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乾燥酒粕の色
髙橋 秀子
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2022 年 42 巻 p. 45-52

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抄録

 酒粕は水分含量51%程度のペースト状態で流通している。そのため、水分量の多い状態ではなく乾燥 させた酒粕ならば、保存性と加工利用性が高まると考え、乾燥後の酒粕の色を調べた。黄色味を帯びた 白色、黄土色及び褐色の3種類のペースト状の酒粕を50℃ 84時間通風乾燥させた場合、乾燥前に比べ いずれも濃い色の乾燥酒粕になった。2種類の粉末酒粕の溶解量を変えて水溶液にしたところ、黄色味 を帯びた白色粉末酒粕の水溶液上清は、溶解量が多くなっても分光光度計による吸収スペクトラムでの 最大吸収波長の位置は変わらなかったが、褐色粉末酒粕の水溶液上清では溶解量が大きくなると吸収ス ペクトラムの最大吸収波長が長波長側にシフトした。褐色粉末酒粕の溶解量の多い12.0g / 100ml水溶 液においては、濃いこげ茶色の上清の色となった。酒粕は、乾燥前後に色の変化があること、また、粉 末酒粕を水に溶かした場合に溶解量によって上清の色が異なることが示された。

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