修紅短期大学紀要
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L-アスコルビン酸の安定性に及ぼす加熱の温度と時間の影響
髙橋 秀子
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2022 年 43 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

 L-アスコルビン酸は熱に対して安定で、酸化型のデヒドロアスコルビン酸は熱に対して不安定で分解 されることが報告されている。本研究は、L-アスコルビン酸の熱に対する安定性を詳しく調べることを 目的とし、4mg/ml L-アスコルビン酸標準溶液とレモン果汁を試料として、40℃・60℃・80℃・水の 沸騰温度において、加熱をはじめてから90分間あるいは120分間までのL-アスコルビン酸濃度の経時 変化を調べたものである。両試料とも40℃および60℃で120分間加熱ではL-アスコルビン酸濃度に有 意な減少はなく、80℃ 90分間加熱では両試料とも緩やかな減少がみられた。沸騰温度90分間加熱で有 意に減少し、4mg/ml L-アスコルビン酸標準溶液とレモン果汁で加熱前よりそれぞれ47.8%と40.0% に減少した。なお、レモン果汁の減少率が高かった。L-アスコルビン酸は熱に対し60℃までは120分 間の長時間加熱でも安定であること、沸騰温度では90分間加熱で半分以下になると判明した。

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