2018 年 2018 巻 12 号 p. 74-87
本稿は、夙川学院短期大学において、筆者が担当している生活及び生活科教育法の教材研究の一つとして行ったものである。小学校の生活科では設置当初から体験学習が重視されたが、それをどのように捉え、位置づけるかにまでは至らなかった。その後、振り返りが重視されるようになったが、その範囲は授業内で文章や絵を描くにとどまっていることが多い。本稿では、子どもたちが生活科の中で観察・発見した昆虫の生活をもとに昆虫の育ち方カードを作成することを考えた。そのカードをゲームとして子どもたちが遊ぶことによって、授業外でも自主的な振り返りが行われ、その繰り返しの中で新たな気付きが誘発されることを目指したものである。ここでは、カードを作成するにあたって、種の選定をいかに行うかを検討し、10 種の代表的な昆虫について4 つの発育段階のカードを作成した。これを生活科教育法の受講生を対象に試行し、その教育効果および改善点の検討を行った。