抄録
幼児は、日常生活においてさまざまな事物に触れながら、次第に数や量に関心を抱き、幼児にとっての数と量の概念を形成するようになる。幼児期にどのような形で数や量に接し、その性質を体得するかは、その後の抽象的な数量の概念の理解を大きく左右するものである。従って、保育者はその視点に立って幼児の数と量の指導に当たらなければならない。本稿は、「保育内容•環境I」の授業で行った「数と量の取り扱い」についての授業の実践報告である。授業の前半では、保育に必要な内容を幼児の数理解の発達過程に沿ってアンケート形式で確認した。数と量の概念に続いて、数指導で扱われる数詞や数唱、助数詞を受講生がどのように経験し、認識しているかを調べた。後半ではグループに分かれてアクティブラーニングを行った。幼児の身近にある菓子や積み木を利用し、それぞれの特性をどのように数と量の指導方法に結び付けていくのかを考察した。