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永久磁石形同期電動機(PMSモータ)は、励磁損がなく省エネルギー化には最適であり、また高効率で制御性も良いなどの利点があり直流電動機に代わりサーボモータとして様々な分野に用いられている。用途が広がるにつれて、より高い性能が求められ、マイクロプロセッサによる制御が要求されており、ベクトル制御アルゴリズムによる高性能化が期待される。本論文は、PMSモータのベクトル制御系構成法について、制御理論を応用した制御アルゴリズムによるPWMインバータ駆動について検討している。永久磁石形同期電動機·直流発電機·エンコーダより構成される実機の鎖交磁束数、慣性モーメント、摩擦係数、クーロン摩擦係数の定数をDSPを利用して測定する。電圧制御入力の状態方程式を基に多入力-多出力系の全状態フィードバックアルゴリズムにより実機を駆動し、実験結果より制御系構成法の有用性を検証している。