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車両の乗り心地を向上させるための振動制御としてセミアクティブサスペンションがある。セミアクティブサスペンションの実用化として、低コストの減衰可変ダンパの研究が盛んに行われている。磁気粘性流体(MR流体: Magnetorheological Fluid)を用いたダンパは1. 5Vの乾電池でも作動するという長所を持つ。そこで本研究では、1自由度モデルにMRダンパを適用し、車体の上下変位を零にするような入力をバックステッピング法を用いて導出する。また、制御するために必要な相対変位および相対速度の情報は直接測定することが困難なことから、車体上下加速度、路面上下加速度が検出可能としてオブザーバを構成しそれらの状態を推定する。さらに計算機シミュレーションにより、その有効性を明らかにする。